【マッチレポート】ラグビースプリングカーニバルIN奈良 天理大学戦
2023年6月4日(日曜日)、ラグビースプリングカーニバルin奈良の天理大学戦(以下天理)が前日の関東地方の災害級の大雨とは打って変わって晴天に恵まれた空の下、天理親里競技場で行われた。この試合は、東海大学(以下東海)にとって関西の大学と試合ができる数少ない機会であり、教育実習で多くの四年生が不在の状態で、これまでのチームトレーニングがどれだけ通用するのか東海にとって貴重な一日となる。スターティングメンバーには、②奥田玲大(4年:京都工学院)、⑨山田莞大(2年:大阪桐蔭)、⑩本山嵐士(4年:長崎北陽台)、⑬水谷元気(3年:鹿児島実業)、リザーブには㉒廣田真士(2年:報徳学園)、㉓古屋健太朗(2年:秋田工業)と多くのメンバーが今シーズン初の選出となった。
前半
天理ボールキックオフ
前半5分、敵陣10メートルライン付近での東海ボールラインアウトは、連携ミスにより天理にボールを奪われてしまう。天理はすぐに大外へボールを展開。東海は大幅ゲインを許してしまう。一度はゴール前で食い止めるが、最後まで守り切ることができずトライを許してしまう。ゴールキックも成功し、0-7と先制点を与えてしまう。
前半9分、自陣22メートルライン付近で、東海ボールスクラムから⑧ヴィリアミ・マフィ(2年:東海大福岡)がボールを持ち出すも、ミスを起こし、天理にボールを奪われる。東海はすぐにディフェンスに切り替え、ボールを取り返そうとするが、天理の攻撃を防ぎきることができずトライを許す。ゴールキックも成功し、0-14と点差を離されてしまう。
前半13分、自陣22メートルライン付近で天理ボールラインアウトから、10フェイズ以上にわたり天理アタックと東海ディフェンスの激しい攻防が続くが、最後は天理に翻弄されトライを許す。ゴールキックも成功し、0-21とさらに点差を離される。
前半19分、敵陣ゴール前での東海ボールラインアウトからモールを形成。一度は崩されるものの、④椎名耀二(4年:幕張総合)、⑦オフィナ・アフ(4年:東海大福岡)らが強いキャリーで立て続けに天理ディフェンスを突破し、最後は⑧ヴィリアミが押し込んでトライ。⑩本山のゴールキックは惜しくも決まらなかったが、5-21と点差を縮める。
前半26分、敵陣ゴール前で一度ボールを奪われるも、すぐに再獲得。東海の素早い連携アタックで⑦オフィナが抜け出し、⑪岡村優太(3年:東海大大阪仰星）へのオフロードパスも繋がる。最後は、⑨山田莞大 (2年:大阪桐蔭)がボールをうけ、そのまま走り切りトライを奪い取る。⑩本山のゴールキックは外れるが、10-21とさらに点差を縮める。
前半30分選手交代。
⑧ヴィリアミ→ ⑳薄田周希 (2年:東海大大阪仰星)
前半31分、自陣ゴール前で天理ボールラインアウトからモールを形成されるが、東海FWがしっかり止め、その後も東海の前に出るディフェンスで天理のアタックに抵抗し続けたが、最後は止め切ることができずトライを奪われる。ゴールキックは外れるが、10-26とさらに点差を離される。
前半40分、自陣22メートルライン付近で東海側の反則でペナルティを与えてしまい、天理はショットを選択。キックが成功し3点追加、10-29とさらに点差をつけられる。
これが前半最後の得点となった。
後半
東海ボールでキックオフ。
後半開始早々自陣ゴール前でハンドリングエラーを連発してしまい、天理にチャンスを与えてしまう。
後半6分、自陣ゴール前天理ボールラインアウト。天理はモールを形成し、東海のディフェンスをいなしながらジリジリと前進すると、最後はトライラインに飛び込まれトライを許してしまう。ゴールキックも決まり10-36となる。
前半9分、ハーフライン付近でまたもハンドリングエラーをしてしまい、天理にボールを渡してしまう。天理はFWでアタックを継続させ、東海の空いたスペースを見落とさずBKが外にボールを展開し、東海は天理のアタックを止めることが出来ずトライを許す。ゴールキックも決まり10-43となる。
後半13分、途中出場の㉔朴淳宇(4年:大阪朝鮮)がビックゲインをするとその勢いのまま東海はアタックを継続。相手のペナルティを獲得するとタッチキックの後、ラインアウトからモールを形成。またも天理がペナルティを犯した。東海は強みであるスクラムで得点獲得を狙う。ゴール前まで天理を押し込み、最後は⑦オフィナがトライラインに飛び込みトライ。途中出場㉒廣田のゴールキックは外れ15-43となる。
後半22分、天理の堅いディフェンスに対し、なかなか思うように攻め込めない東海だったが、途中出場の㉑辻時羽(3年:常翔学園)と㉒廣田の瞬時の判断でショートサイドを突き、大外で⑭中川が持ち前の俊足でディフェンスを抜き去った。サポートで走っていた途中出場⑳薄田周希(2年:東海大大阪仰星)にパスが渡り、⑭中川→⑳薄田→⑭中川とボールを繋ぎ最後はサポートについていた㉑辻がボールをもらい、走り切ってトライ。㉒廣田のゴールキックは外れ20-43となる。
後半27分、自陣深くで天理の激しいタックルによりまたもハンドリングミスを犯してしまい、ボールを渡してしまう。続くスクラムでもペナルティを犯し、ラインアウトのチャンスを与える。天理はラインアウトからモールを形成した。東海は必死のディフェンスでトライを死守したもののショートサイドのディフェンスの薄いところを突かれてしまいトライを許してしまった。ゴールキックは外れ20-48となる。
これが後半最後の得点となる。
今回の試合は、東海にとってミスが目立つ試合となった。
大学選手権に出場してくる天理大学に対して、これまで関東圏の大学との試合で得た経験や課題を修正して挑んだ。結果は負けてしまったもののアタックでは、これまでやってきたことを活かしてトライを取り、ディフェンスでは抜かれても誰かがサポートするなど粘り強い守りをすることができた。改善する点としては、相変わらず減らないペナルティの多さや、ハンドリングミス、ディフェンスラインのコミュニケーションが取れていないことが見受けられた。次戦の帝京大学戦にむけて課題を修正し、セットプレーやディフェンスに磨きをかけていきたい。